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不妊治療のつらさ

2008/04/17 Thu 12:21

なかなか子供に恵まれず、病院に行って不妊症だということがわかると、不妊治療を受けることになりますが、不妊治療はけっこうつらいものだと思います
私は不妊に悩む以前、不妊治療のつらさを告白するサイトなどを読んで、とてもつらいのだろうなと感じましたが、それは子供がなかなか恵まれないということに対するつらさなのだと思っていました
けれど、実際に自分が不妊症になって不妊治療を受け、不妊治療のつらさはもっと複雑で深いものだと思うようになりました
不妊治療は不妊の症状に合わせてさまざまな方法がありますが、女性の生理周期に合わせて行われるというのは共通しています
現代の医学の進歩から不妊治療を経て子供を授かる確率は上がっているのだと思いますが、以前も述べましたが、妊娠をする確実な方法は未だないのが現状です
妊娠の最終段階である着床に関しては決定的な治療方法はわかっていないからです
妊娠するためにはまず精子と卵子が出会わなくてはならず、排卵しない人は排卵する治療をしたり、卵管が詰まっていて精子と卵子が巡り会えない場合は、卵巣から卵子を摘出して別に採取した精子と受精させる体外受精が行われたりする
体外受精の場合、受精卵を女性体内に戻し、着床したかどうか(妊娠したかどうか)2週間後(つまり生理予定日近辺)に検査をします
体外受精にしても人工授精にしても、そのほかの治療にしても、受精卵が着床するまで時間がかかります
着床の前の段階までの治療を行っているときは「今度はうまく行くかもしれない」という気持ちになります
着床までの治療がうまく行き、あとは着床するかどうか…ということになると、期待は高まるし、着床してくれるようにと祈る気持ちでいっぱいになります
だんだん生理予定日が近づいてくると期待はどんどん高まっていきます
今頃着床しているんじゃないかな…とか、妊娠したらいつぐらいに出産することになるのだろうと考えたり想像したりしてしまいます
生理予定日が目前に迫ってくると、期待と不安でいっぱいになり、妊娠か生理か、どちらだろう…早くはっきりさせたい…でも怖い…という思いになります
そんな不安定な気持ちで日々を過ごすのはとてもつらいことなのです
期待して期待して天に祈って、それなのに生理が来てしまったときのショックと言ったらことばになりません
着床を助けるために黄体ホルモンを高める処置などをすると、生理が遅れたり、高温期が長く続いたりするのですが、そうなるとよけい期待が高まってしまい、「妊娠したのかも!」と思っていたら生理がやってきて…なんてこともあります
そうなると、何もやる気がしなくなって落ち込んでしまったりします
だめだったんだ…ショックだよ…何が行けないんだろうなんて考えてしまいます
いったいいつになったら妊娠できるんだろう、このままずっと授からないんだろうか…とネガティブな気持ちにもなりかねません
けれど、また新たな周期が始まり、もしかしたら次はうまく行くかもしれない…今回はたまたまうまく行かなかっただけで、あと1回頑張ったら妊娠できるかもしれない…そういう期待がまた生まれてきます
そしてまた不妊治療を続け、今度こそ今度こそ…という気持ちを持ち、また期待と不安の日々を送る…この繰り返しがいつ終わるかもわからずに続くのです
実際に不妊治療を経験した人ならわかることですが、これが繰り返されるのはなかなか厳しいものです
どれくらい続けていけば授かることができるのかもわからないし、まるで闇の中を走り続けているようなかんじがします
また、不妊治療には痛みを伴うことが多いのもつらさの要因のひとつです
たとえば卵管が詰まっていないかを調べる卵管造影という検査は、卵管に水や空気などを通して調べるのですが、痛みを感じる人も多いようです
体外受精を行うときや排卵しにくい場合などは排卵誘発剤を打って排卵を促したり、卵子を摘出したりしますが、排卵誘発剤を打つことによる副作用があります
腹水といってお腹に水がたまり、水を抜いてもらわなければ苦しくてたまらない人もいるようです
また、卵子を摘出するのもけっこう痛いそうです
私はこれらの治療は行わなかったので実際にどれくらいつらいのか実体験としてはわかりませんが、体験記などを読むとほとんどの人が「赤ちゃんに会えるためなんだから…」とこれらの痛みに耐えて痛い治療を乗り越えていました
私は黄体ホルモンが不足していて、排卵後から1日おきに5回病院に通って黄体ホルモンを注射するという治療をしましたが、この注射もけっこう痛かったです
それでも我慢できないような痛みではありませんでした
この痛みに耐えることで2人目が授かるのなら…という希望を胸に通院を続けたようなものでした
それからお金の面も大きな問題となります
妊娠の確率が上がる治療ほどお金がかかります
人工授精は10万円ほど、体外受精は40-60万円ほど、顕微授精はもっとかかるようです
これらの治療も確実なものではなく、体外受精での妊娠の確率は30%だから、少なくとも3回は体外受精を試みることになります
いきなりこういう治療を受けるのではなく、その前にさまざまな検査を受け、それにもお金がかかります
保険も多少きくこともあるのだろうが、それでも一般的な医療費と比べると比ではないし、いつまで続くかわからない状態で毎回高いお金を払うのは経済的にも負担となります
最近は自治体から不妊治療費の補助が出るようにもなりましたが、それでも家計への負担はまだまだ大きいと思います
それに、不妊治療は毎周期を行えるわけではありません
排卵する時期に忙しくなってしまったり、夫婦喧嘩をしてしまったり、だんなさんが出張に当たってしまったり、そういうこともあります
これらは仕方のないことだけど、排卵を促す治療をしている人は、せっかく排卵させようと頑張っていたのに性行為ができず、治療が無駄になってしまうし、もしかしたら今回はうまく行くのかもしれないのに…と思うと気が気ではありません
夫婦生活も「妊娠のための」ものになってしまって、女性も男性もなんとなく気乗りがしなくなってしまうこともあるし、妊娠目的で夫婦生活を持つことにむなしさを感じたりもして、夫婦間がぎくしゃくすることだってあると思います
このような治療を年単位で続けている人は少なくないと思います
雅子さまは愛子さまを授かるまで8年かかっていますが、少なくとも5年は不妊に悩まされたのではないかと私は推測しています
不妊治療を5年続けるのはなかなか厳しいものだと思います
30日周期だとして1年に12周期、5年では60周期になります
このような期待と不安の日々を60サイクルも繰り返すのだとすると、私の想像を絶するほどのたいへんさだと思います
雅子さまは一度流産という悲しい経験もしているし、せっかく妊娠に至ったのに育たなかったいのちへの悲しさはたいへん深かったのではないでしょうか
不妊治療をしている人たちにとって、「妊娠」は大きな目標ですが、妊娠がわかった段階ではまだ「妊娠の始まり」にすぎず、ここからがスタートであるわけで、やっと妊娠に至ってもまだまだ先が長く感じます
また、不妊治療を受けているときにまわりの人たちの理解が得られないとよけいつらくなります
私の場合主人が「そんなに焦らなくてもそのうち自然に授かるのでは…」というかんじだったので、私の気持ちと少し隔たりがありました
それでもなかなか妊娠しないことがわかってくると、「なかなか子供が授からないんだな」ということは理解してくれましが、それまでには時間がかかり、自分ひとりで悩んでいるような気持ちでいました
雅子さまの場合、国民もまわりの人たちも「早くお世継ぎを…」という雰囲気をムンムンに醸し出していたわけだし、そういう中でなかなか子供に恵まれなかったことは相当につらかったのではないかと思います
そういうつらいことがたくさんあっても、公務などで人の前に出れば笑顔を振りまかなければならず、記者会見ではお子様について毎回聞かれるわけで、いやがおうにも追いつめられてしまうのではないでしょうか
皇太子さまが「静かな環境が必要だと思う」と言ってもまったく静かにしてもらえないし、皇族である以上あからさまに訴えるわけにも行かず、悩みながらも笑顔を絶やさずにいなければならないことは相当つらかったのではないかと私は思います
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